6月のコラムで口腔内のpHを中性(5.5以下にならないように)に保つことが、歯のエナメル質の酸性化を防ぎ、虫歯予防につながるというお話をしました。
今回はその続きとして、唾液と歯のエナメルの再ミネラル化の関係性、そして以前アンクルハリーのマウスウォッシュのレビューを書きましたが、今回は同シリーズのクレイ歯磨き粉を試してみたので、そのレビューも合わせて書きたいと思います。
唾液と歯のエナメルの再ミネラル化の仕組み
私たちの口腔内は、唾液の働きによって自然にpHバランスを中性に保つ仕組みが備わっています。
唾液にはカルシウムやリン酸などのミネラル成分が含まれており、食事や飲み物によって酸性に傾いた口腔内環境を中和し、歯の表面に失われたミネラルを補う「再ミネラル化」を促進します。再びミネラルがとりこまれると表面の弱くなった部分が補修され、エナメル質が強化されます。
しかし、現代の食生活やストレスなどにより唾液の分泌量が減ると、この再ミネラル化の力も弱まってしまいます。
そのため、ミネラル成分を含む歯磨き粉やマウスウォッシュで外からサポートしてあげることが、エナメル質を守るうえで効果的であると考えることができます。
アンクルハリーのクレイ歯磨き粉を使用してひと月弱が経っておりますが、この歯磨き粉をひとことで表すと、とても使用感が良いです。
今まで使っていた歯磨き粉とは味が異なり、かなり塩味が強めですが、磨いた後は歯の表面が驚くほどツルツルになり、口腔内全体がすっきりします。そのツルツル感も比較的長く続くのが印象的でした。
フッ素などが入っておらず、天然素材で作られた製品でありながら、しっかりと「すみずみまで磨けた感覚」が得られる点がとくに気に入っています。
成分と特徴
アンクルハリーの歯磨き粉の成分で注目したいのは次の4つです:
• アルカリ性イオンミネラル(Alkalizing ionic minerals):
イオン化されたミネラルが口腔内の酸性環境を中和し、pHを理想的な中性状態に近づける働きをします。
また、唾液中のミネラルとともにエナメル質の再ミネラル化を助け、歯の表面を強化するサポート成分として重要です。
• ベントナイトクレイ(Bentonite clay):
天然の粘土鉱物で、汚れや有害物質を吸着し、歯の表面を清潔に保ちます。
• カルシウム (Calcium carbonate):
歯のミネラル補給を助け、エナメル質の再石灰化(再ミネラル化)を促します。
• クローブ(Clove):
抗菌・抗炎症作用を持ち、歯茎の健康を保つとともに、口臭予防にも役立ちます。
これらの天然成分の相乗効果により、歯と歯茎をやさしく、かつ効果的にケアできるのがこの歯磨き粉の魅力です。
まとめ
アンクルハリーの歯磨き粉は、再ミネラル化を促進するミネラルを含み、汚れを吸着して歯の隅々までしっかり磨かれている実感があります。わたしの奥歯には前に少し脱灰が起きてしまった箇所がありますが、この歯磨き粉を使っているからか、今の状態をキープすることが出来ています。
今後も使用をつづけ奥歯の様子をモニターしていきたいと思います。
人工的な発泡剤やフッ素を使用していないため、ナチュラル志向の方にもおすすめできる製品です。
日々の歯磨きによってしっかりと歯垢を取り除くこと、歯医者さんでの定期健診とを組み合わせることで、より健康的な口腔環境づくりに役立ちます。現在、日本ではアンクルハリーの製品は未発売ですが、ミネラルやカルシウムなどの成分を含む歯磨き粉を選ぶことで、再ミネラル化を意識したケアを取り入れることができます。毎日のケアに再ミネラル化のオーラルケアを取り入れることも、選択肢のひとつではないでしょうか。